ようやくカメラを購入
先輩からの助言からカメラ屋めぐりを繰り返していると、いつもは目に付かないところに小さなお店を発見しました。
元々住んでいるところから離れた場所に学校があるので、裏路地などは見たことがなく、新たな発見に新鮮さを感じながらお店へ突入しました。
そこにはほかのお店と比べてかなり安い値札がずらり。
ハイスペックとまではいかないものの、お古のカメラと比べてもワンランク上のものが多くありました。
なかには1万円台のものまであるので、まさに夢のような気分で見て回った覚えがあります。
その中で目に付いたのが、店頭で購入を悩んだカメラと同じメーカー品のものです。
型としては一つ前のものではあるものの、性能自体はそれほど大差がないので、中古で売ってれば買いたいな、と思っていた一品でした。
お値段を見てびっくり、新品の半額という金額。
思わず衝動買いのように購入してしまいました。
まさかの落とし穴
それからウキウキ気分で自宅に帰り、いろいろと操作をしていると一つ気になった点が。
そうです、バッテリーの減りが異様に早いのです。
確かに中古品であるが故に、新品と比べて電池の持ちが悪いのは分かっています。
でも、それを考えても異常なまでにバッテリーが減る間隔に違和感を感じていました。
お店からは「中古品だからバッテリーは保障しないよ」と釘も刺されていたので、返品などはまず出来ない。
かといってこのままだと映像撮影なんて、とてもじゃないけれど出来ない、という見事な落とし穴にはまった瞬間でした。
おとなしくマニュアルを見ながら操作をしていると、別売りのバッテリーについて紹介しているページを発見。
そうか、新しくバッテリーを買えばいいのか、と当たり前のようだけれど何だか自分が賢い気分になりながら、少し元気が湧いてきました。
新しいバッテリーを購入
早速インターネットでカメラの型番を検索し、新しいバッテリーを購入してみることに。
すると、2~3千円と意外に安価な値段で買える事が判明。
これならすぐに買える、そう思いさっそく購入ボタンをポチっとクリックして、到着を待つ事にしました。
通販という事もあり、翌日には手元に届いてバッテリー交換が完了しました。
ようやくスタートラインに立った気分、そんな事を思った瞬間です。
先輩から「ちょっと話がある」と電話がかかってきました。
ちょうど購入したカメラを見せに行こう、と思い、バッテリーを交換したアイテムを持って出かけることにしました。
一つの分岐点
先輩の家に着くと、一つのチラシが目に入りました。
なんでも、OBの方が勤めるカメラ店で、一眼レフカメラのセールが行われるとのこと。
とはいえ新しいカメラを買ったばかりの僕は、あまり話が耳に入ってこない状態でした。
すると先輩から、「どうせ撮影をするならこのカメラがいい、このチャンスを逃すと手に入らなくなる」と強いプッシュが。
半ば強引にも感じる勧誘でしたが、冷静にチラシを見てみると、店頭で見かけたあのカメラが3割引になって販売されているではないですか。
ものすごい葛藤に襲われた僕に対し、さらなる先輩からの後押しが。
「これくらいの金額ならアルバイトで稼げば買えるだろ」
ものすごく当たり前の発言でしたが、今の僕をぐらぐらと揺らす分には十分な言葉でした。
その後ふらふらしながら自宅に戻ってベッドに潜り、今日あった出来事を頭の中で整理してみました。
カメラを新しく買ったけれど、元々希望していたタイプとは違うし、値段も安価だったから気持ちも切り替えられる。
せっかく安く販売しているのであれば、このチャンスを逃すのは勿体無い。
そう自分の中で整理しつつ、手元にある銀行通帳とにらめっこしながら朝を迎えてしまいました。