やっぱり黒澤映画は勉強になる

僕の大好きな映画監督

僕の大好きな映画監督に黒澤明先生がいます。
先生という事すらおこがましいほど、高校時代はそれぞれの作品に没頭しました。
父に見せてもらった「椿三十郎」をはじめ、語りはじめたらキリがないくらい、黒澤先生の作品が大好きです。

なぜこれほどまでにハマッたのかというと、単純に人間が持つ「泥臭くとも生きる事に執着心を持った演者」が見れるというのがあります。
2時間から3時間という映画作品の中で、どのようにして人が生き死んでいくのかを忠実に描かれているため、見終わったあとは余韻とものすごい疲れを感じます。
この疲れというのも決して嫌なものではなく、「あぁよい映画を見れたな」という爽快感に近いものかもしれません。

あとは物語がポンポンと進んでいく爽快感も好きな部分ですね。
迫力がある映像の中でも、スムーズに気持ちが移行できるようなつくりになっているので、初めてみる作品でも見入ってしまう力があります。
今回はそんな黒澤先生の作品の中から、3作品をピックアップしてご紹介します。

七人の侍

黒澤先生といえばまずは七人の侍は欠かせない作品でしょう。
父も大好きな作品のひとつで、復刻版のDVDだけではなくブルーレイや昔のVHSまで全て取り揃えています。
パッケージや最初の部分だけを見ると、何だかおどろおどろしているように感じてしまうのですが、実際話が進むにつれて黒澤ワールドの中に引き込まれてしまう気持ちよさがあります。
このサイトでも七人の侍について詳しく紹介されています。
>>七人の侍みんなのシネマレビュー

作品は1954年と60年以上昔の作品なのですが、まったく古臭いところがないのもこの作品の素晴らしい点です。
娯楽時代劇という枠を作り上げただけあって、内容の素晴らしさ以外にも見た目のインパクト、最後の結末などにもこだわりを感じられます。

赤ひげ

続いて紹介するのが「赤ひげ」という映画作品です。
友人に紹介するまで有名作品と思っていたのですが、意外と知る人ぞ知る名作なようです。

赤ひげは黒澤先生が作った映画の中でも、人間模様が強く出された作品のひとつです。
三船敏郎さんや加山雄三さんといった名俳優たちが、医師という役職を中心に壮絶な世界を作り上げています。
二人ともまさにはまり役、といった感じなので、見るたびにその世界観に引き込まれてしまいます。

モノクロ映画として作られたこの作品ですが、カラー映画と違って自分の頭の中で色を付けられる楽しみ方も出来ます。
見終わったあと、目をつぶりながら自分なりの色を付けたし、もう一度作品の中に入っていく、そんなマニアックな楽しみ方で休日を過ごしています。

まあだだよ

最後に紹介するのが「まあだだよ」という作品です。
これは黒澤先生の遺作としても知られていますね。
バラエティ番組でもお馴染みの所ジョージさんが出演していたことでも有名です。

作品自体は賛否両論分かれる部分があると思います。
例えば出演者の使い方や各役職の描き方などです。
私みたいなただの映画好きからしてみると、それらも作品のクセとして楽しめるのにな、というのが本音ですね。

作品自体も「七人の侍」や「赤ひげ」よりもかなり後に作られた作品なので、少し現代風に描かれている部分があります。
黒澤先生の作品=モノクロで色が濃い、という見かたの人もいるようなので、素直に楽しめていない方も多いのかもしれませんね。